【連載:AI×Laravel開発のリアル・第1回】AIにコードは書かせても「業務フローの整理(要件定義)」を丸投げしてはいけない理由

中小企業のIT化・業務効率化

こんにちは!合同会社BitLaboの楠原です。

今回から全5回の連載形式で、私たちが今まさに実践している「生成AIと最新のLaravel、そして自動テストを組み合わせたモダンなWEBシステム開発のリアルな現場手順」をドキュメンタリー風にお届けしていきます。
開発の手順に沿って、裏側の「ぶっちゃけ話」を公開していくので、システム開発を検討している社長さんはぜひ楽しみに追いかけてみてください。
記念すべき第1回のテーマは、開発の最初の一歩である【要件定義(ヒアリング・業務ルールの棚卸し)フェーズ】です。
近頃は「AIが自動でシステムを作ってくれる時代」なんて言われていますが、もしあなたがシステム開発を外注するときに「上流工程の整理までAI任せにしている会社」に出会ったら、全力で逃げてください。その理由をプロの視点からお話しします。

■ AIは「社内のリアルな泥臭い例外ルール」を知らない
生成AI(LLM)は、教科書に載っているような「一般的な美しい業務フロー」や仕様書を作るのは天才的です。
しかし、中小・零細企業の現場は、そんな綺麗事だけで回っていませんよね。
「A社さんだけは、昔からの付き合いで入金サイクルが特殊」
「この手続き、実は臨機応変にスタッフが手作業でカバーしている」
「この役職の人が、最終的に目視で確認しないと現場のプライドが許さない」
こういった「現場の泥臭い例外ルールや暗黙の了解」は、いくらAIに自社のデータを食わせても、絶対に見抜くことはできません。
私たち人間のエンジニアが、社長さんや現場のスタッフさんとじっくり対話して、隠れた要望を「引き算の美学」で削り出しながら整理しないと、いざシステムができた時に「現場で全く使い物にならない粗大ゴミ」になってしまいます。

■ AIは「本当に解決すべき経営課題」を提案してくれない
クライアントの社長さんが「社内用にこんな機能(画面)が欲しいんだよね」と言ったとき、AIにそれを伝えると、AIは「わかりました!」と言われた通りの仕様書を1秒で出力します。
でも、20年現場にいる私なら、そこで一旦ストップをかけます。
「社長、その機能本当に要ります? 作ってもスタッフの入力の手間が増えるだけですよ。それより、こっちのシンプルな仕組みに変えた方が、作業時間がゼロになりますよ」
AIは「言われた仕様をきれいにまとめる」ことはできても、御社の経営の背景まで踏み込んで「本当に必要なものだけに絞り込む(引き算の提案)」という、血の通ったコンサルティングはできないのです。

■ 最初のボタンを掛け違えると、AIの「爆速」が牙をむく
これが、上流工程をAI任せにしてはいけない最大の理由です。
今のAI技術を使えば、Laravelのソースコードも、品質を担保するための自動テストコードも「爆速」で量産できるようになりました。BitLaboでもAIを最強の相棒として使い倒しています。
しかし、その前提となる要件定義(設計図)が1度でもブレて間違っていたらどうなるか。
「間違った仕様のシステムが、AIによって超高速・大量に出来上がる」だけです。
分業制の大手開発会社でよくある「営業とエンジニアの伝言ゲーム」と同じで、一番最初の舵取りを間違えたままアクセルを踏めば、AIのスピードが仇になって、修復不可能なゴミの山が爆速で完成します。だからこそ、要件定義という「最初のボタン」だけは、絶対に経験のある人間のプロが握り締めとかんといかんのです。

■ 次回予告:次は「設計図」へ
最初のボタンをガチッと留めて、御社の独自の業務ルールが100%整理できたら、次はその内容を「データベースの設計図」に落とし込むフェーズに入ります。
次回は、【第2回:5年先も壊れない土台を作る。最新Laravel環境に最適化した「DB設計思想」の裏側】をお届けします。AIにデータのつながりを出させつつも、プロがどこを修正して無敵の土台を作るのか、その裏側を実況します。
「うちのこの複雑な業務、そもそもシステム化できる?」というざっくりしたご相談も大歓迎です。まずは現行サイトのお問い合わせフォームから、いつでも気軽に声をかけてください!